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さらば、ゴールドシップ

競馬

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 きょうの有馬記念は新星ゴールドアクターがサウンズオブアースを振り切り優勝した。1番人気に推されたゴールドシップは見せ場を作ったものの、最後は力尽き、そして予定されていた通りターフから去っていった。

 おれの◎だったキタサンブラックは3着で、まあそこら辺は及第点であるが、勝ったゴールドアクターもサウンズオブアースも買っていなかったし、複勝にドカンと行ったヒットザターゲットも見せ場がないまま13着に終わり、やはりというかなんというか。おれはひどく負けてしまったのだった。勝ち馬は「アル共を叩いた母父キョウワアリシバなんか買えるかい」とオーシャンブルーとマリアライトの次に消した馬だからぜんっぜん惜しくもなんともなかったし。それに、勝った吉田隼人と中川調教師は苦労が報われました、みたいな感じだったのでよかったね、と負けた額にしては比較的心穏やかだった。隼人な。フォゲッタブルサニーサンデーアグネスアークなんかも喜んでいるだろうよ、と思ったら泣きそうになってしまった。

 中山競馬場は超満員で、おれはその実、やはり人の頭ばかりで肝心の馬はほとんど見えなかった。しかし、第3コーナーくらいに差し掛かると場内がどよめき、それはすぐに大歓声に変わった。もしやと思ったとおり、揺れる人混みの隙間から他馬を捲り4コーナーで先頭に立とうとする真っ白い馬体が見えた。周りの人間からその馬と騎手の名前を叫ぶ声が次々と上がった。

 

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 日が落ちて北風が吹き抜けるなか、ようやくゴールドシップが登場すると、場内から「ありがとう」の声が飛んだ。かつて主戦を務め、しばらく不振で外されていたが、今日の引退レースで久しぶりに騎乗した内田博が泣いていた。ずっと担当していた今浪厩務員も泣いていた。おれも泣いた。

 ゴールドシップに関しては特段思い入れがあるわけではない。というか、あまりいい思い出がない。1回目の春の天皇賞ではしこたまやられた。今年の春の天皇賞でもしこたまやられた。札幌記念でもハープスターに負けやがって。もうこれでゴールドシップの取捨に迷わなくて済むわい、と嘯いてみても、やはり引退というと寂しいものである。

 本当にファンの多い馬だった。出来落ちが囁かれていても1番人気になるのだから、本当に大したものだ。オグリキャップのように、ゴールドシップのぬいぐるみを持った女のファンがたくさんいた。そして、本馬場入場、4コーナーの捲りでのあの大歓声。おれは人混みのなかからかすかに見えた、あの白い馬体と揺れた競馬場を忘れることはない。

 もう競馬場でゴールドシップの名前を叫ぶことはない。日和ってリアファルの馬券なんか買うくらいなら、あいつの馬券を買って、あの時力いっぱい叫んでやればよかったと思う。天皇賞であいつが惨敗したときみたいによ。まあ、あの場では恥ずかしくて言えなかったが、本当にお疲れさんだったな。いろいろありがとうよ。金返せ! 

 


 ゴールドシップで一番好きな写真だ。最高の友とともに、のアスキーアートのようだ。厩務員の今浪さん、本当にお疲れ様でした。