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24時間戦えますか

うんこ大附属
覚醒剤に指定されているヒロポンの語源は「疲労をポンと取る」ではなく、労働を愛するというギリシア語のピロポノスから来ているという。昔は軍・民問わず滋養強壮剤としてよく使われ、効果はバツグンだったそうだ。

去年までアラームをセットしていた時間に会社へ到着するようになってからしばらく経つ。上半期で辞めた人間の補充がなく、下半期からは仕事が倍近くになる状況が続いており、上に訴えてもまったく変わる気配がない。「人が足りない・時間が足りない」という我々一般兵の意見具申は「お前らの時間管理能力が足らない」で一蹴されてしまった。「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」の旧軍精神が罷り通るのならば、当時流行したヒロポンも罷り通るのではないか。労働を愛するという意味の薬なのだし、正当な服用方法といえば正当であると思うのだが、いくらインターネットとはいえ滅多なことは言えん。

「キミは営業向いてないね」「暗いんだよ、暗い」

しかし、会議後に偉い人に言われたこの言葉にはさすがに傷ついた。おれは人より傷つきやすいし、限界のラインがはるか手前にある。そんなことは言われなくても分かっているが、これでも精一杯明るくしてるつもりであった。まあ反論の余地はないので仕方がない。

本当にもうそれは仕方がない。毎年似たような数字しか出せないおれが、営業を何年もやらされている時点でこの会社の程度が知れている。仕方がない。新しく人を採るより既存戦力を使い潰すほうが効率がいいのだから仕方がない。定時後、さっさと帰る管理職がその後のことを知らず、「ウチはいい会社だよ」なんておれに軽口を叩くのも仕方がない。定時がデフォの部署の人たちが「仕事好きだね」なんて帰り際におれたちへ言うのも仕方がない。そんな奴らと基本給が変わらないのも仕方がない。

土日祝は休めてるからありがたいと思わなければいけない。ボーナスだってちゃんと出るのだからありがたいと思わなければいけない。働きたくても働けない人がたくさんいるんだ。正社員として雇ってるのだから文句を言うな。まだ若いんだからがむしゃらに働け。

まだ若いんだから、まだ若いんだからで30がすぐそこまで来てしまった。若さで乗り切れるのはいつまでなのか? おれが、そしてうちの課が救われる日はいつになるのか? その日までおれは正常でいられるのか?
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