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光輝く、大空高く

うんこ大附属
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まだプロ野球の巨人戦が毎晩テレビ中継されていた時代の話であるが。おれの父親は巨人のファンであった。毎晩19時になり中継が始まると得点経過だけを見て、すぐにチャンネル権を家族の女連中に奪われ、スゴスゴと自分の部屋へ中継を見に行く。それがおれの父親だった。

父親だけでなく、まだ存命だった祖父もよく巨人戦を見ていた。おれもまた女連中の見るテレビはつまらなくて、よく祖父の部屋で巨人戦を一緒に見ていた。父親は野球中継を見ながらすぐ鼾をかくのでイヤだった。祖父はよく松井や高橋より清原を応援していた。

祖父がよく言っていたように、かつての清原の右打ちは子供でも理解できるほどすごかった。東京ドームの狭さは知らなかったといえど、外角の球を巨人ファンで埋まる右中間スタンドへ簡単に放り込む姿は圧巻だった。清原の活躍を見て喜ぶ祖父を見て、おれも喜んだ。祖父は、野球より巨人より清原が好きだったと父親が言っていた。

祖父に痴呆の症状が出始めたのは2005年くらいからだ。奇しくも清原が巨人で出場機会が減り、だんだん居場所をなくしていった時期と重なる。それから1年経ち、巨人を追い出された清原がオリックスの選手としてグラウンドに立つころには祖父は歩行もままならなくなった。そして。清原の引退を見届けることなく祖父は死んだ。

お前も清原みたいになれ。元気だったころの祖父がよく言っていた。おれが見る限りヤクザみたいな男にしか見えなかったのだが、祖父にはPL学園で甲子園を沸かせ、西武ライオンズで野球界を沸かせたかつての清原、今からでは想像もつかないような好青年だった清原が映っていたのだと思う。

2016年2月2日。元プロ野球選手の清原和博容疑者を覚醒剤取締法違反で逮捕。

果たして祖父の墓前でこんなことが報告できるであろうか。
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