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今週のレース:宝塚記念

競馬

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遠い異国の地でサッカー日本代表が挙げた勝利の余韻もそのままに、おれが関西行きの長距離バスに乗り込んだ日はもう6年前のことで、梅雨どきにしては晴れ間の広がった金曜日のことだったと思う。

おれは毎週金曜日にあったナントカ政策論の講義もサークルの集まりも放擲し、兵庫県は仁川・阪神競馬場を目指していた。すべては上半期の競馬を締めくくるグランプリレース・宝塚記念を見るためだ。

この年の宝塚記念は最強牝馬ブエナビスタに、天皇賞ジャガーメイルや前年の宝塚記念有馬記念の両グランプリを制したドリームジャーニー、急速に力をつけてきたアーネストリーらが挑む構図となっていた。いずれブエナビスタは大好きな馬になっていくのだが、この時のブエナはおれにとってはまだ不倶戴天の敵。絶対に負けるものかと、以前記事にも書いた前年のダービー馬・ロジユニヴァースの2度目の復活を願いながら、西下するバスに揺られていったのだった。

ex26.hatenablog.com

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写真が語るには、勝馬の神社・藤森神社に参拝に行った土曜日は雨で、宝塚記念当日の阪神競馬場はうす曇りだったようだ。馬場状態は前日の影響かやや重となっている。ロジユニヴァースにとってはもっと降ったほうがよかったのだが。

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歓声のなか、ゲートが開くと人気馬の一角・ドリームジャーニーがヨレ、悲鳴と怒号が飛んだ。しかしロジユニにとってジャーニーはライバル。前年の覇者である実力馬がいきなりスタートで躓いたことに、おれは心のなかでほくそ笑んだ。

…第4コーナーから直線に向かいます、内の三番手ブエナビスタ
ロジユニヴァース! 更にはアクシオンが追っている!
内を狙ってネヴァブションナカヤマフェスタ
ドリームジャーニージャガーメイル、伸び脚はどうでしょうか!
アーネストリーが先頭! アーネストリー! 内からブエナビスタ


最後の直線でロジユニヴァースがおれの想いとともに馬群に沈んでゆく。もうロジユニヴァースの名前は呼ばれない。前でデッドヒートを繰り広げるブエナビスタアーネストリーの名前が呼ばれるだけだ。関西まで出向いて宿敵の優勝を見るハメになるのか……おれが諦めたその時だった。

前はブエナビスタアーネストリー
ブエナビスタアーネストリーナカヤマフェスタ
ナカヤマフェスタだ! これは驚いた!
ブエナビスタ2番手!3番手にはアーネストリー
なんとなんとナカヤマフェスタブエナビスタは2番手まで!


ゴール前に陣取ったおれの目の前を謎の馬が先頭で駆け抜けた。ブエナビスタでも、アーネストリーでも、ドリームジャーニーでもない、見慣れない勝負服の馬。単勝オッズは3,600円、前走なんてことのないオープン戦を勝った程度のナカヤマフェスタだった。騒然とする場内。それもそうだ。左回りしか走らないと言われていたのにも関わらず、前々走の中京で大敗してたんだから。買えるワケねーよ、とブエナビスタに勝たれることとはまた別の徒労感がおれを覆っていた。


【第51回宝塚記念】 レース~払戻


ひどい徒労感と関西まで来た後悔で足取りも重いなか、新幹線に乗ったおれはようやく思い出す。ロジユニヴァースが勝った不良馬場のダービーでナカヤマフェスタを軸にしたこと。その理由が「重馬場得意だったから」であったこと。

「だったら今日買えたよな……」とおれは後悔するのだが、この時はまさかナカヤマフェスタがこのあとフランスへ渡り凱旋門賞で2着と大健闘することも、その走りにおれは感動し、帰国後初戦で本命にするもブエナビスタに完敗、唇を噛むことになるなど夢にも思わなかっただろう。


さて、それから6年が経った今年。今年の宝塚記念も馬場は渋る予想である。ならば今年も重馬場巧者。フェスタが勝った8枠なのもなんとなく縁起がいい。

宝塚記念:◎サトノクラウン

……そういえば去年のダービーでも、この馬を本命にしたような気がする。